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2023.03.01 更新
どんなハプニングも、この家族なら大丈夫。
世界6大陸をめざす、坂本家の挑戦。
20代で5万5千キロにおよぶ自転車世界一周を達成した坂本達さん。この旅の記録を収めた書籍「やった。」や、その後ギニアの方への恩返しのため清潔な水を供給するプロジェクトの様子をまとめた書籍「ほった。」などを通じて、坂本さんの活動に共感された人は多いのではないでしょうか。今回は坂本さんファミリーにお集まりいただき、現在進行中のチャレンジについてお話しいただきました。
坂本 達さん 佳香さん
健太郎くん 康次郎くん 大和くん
ご一家
健太郎くん 康次郎くん 大和くん
ご一家
前編の「坂本ファミリー」
- まずはお2人のなれそめから
- 世界6大陸大冒険をはじめた理由
- 有言実行!でコロナ禍でも冒険は継続中
2022年11月のとある日曜日、眺めのいいスポーツ公園で坂本さんファミリーと集合することに。この日は12月が近いというのに空は青く、風はあたたかく、心地のいい天候です。皆さんを待っていると、3歳の大和くんをチャイルドシートに乗せた達さんを筆頭に、それぞれに愛車の自転車に乗って待ち合わせ場所に来られました。さて、お聞きしたいことはたくさんあります。まずは気になる坂本さんご夫婦のなれそめから質問してみました。
お2人がご結婚されたはいつになるのでしょう?
達さん
確か2008年だったので14年前になりますね。出会ったのはテレビ番組の収録のために行ったラオスで、当時彼女は旅行会社に勤務していて現地に住んでいました。2ヵ月後には帰国するというので、じゃあまた日本で会おうとなって...。結婚したのはその2年後ですね。
自転車での世界一周旅行をされた坂本さんをパートナーにされたということは、佳香さんも自転車経験があったのでしょうか?
佳香さん
いえいえまったく!なのに新婚旅行はハワイのセンチュリーライドでした。160kmも走るレースに参加するために夫からの鬼のような特訓を受けたのですが(笑)、それでもレース中に足を固定するビンディングを外せなくて何度もコケました。もう本当に大変でした、あのときは。
達さん
私はただ、彼女と一緒に自転車でハワイを走りたかっただけなんですよ。この機会に自転車の魅力を知ってほしかったんですけどね。
佳香さん
ツラかった思い出ばかりですが、沿道からの応援の声にパワーをもらえたことははっきりと覚えています。おかげでなんとか完走できました。
そして現在、3人のお子さんが誕生されて、5人のファミリーに。
達さん
はい。長男の健太郎が12歳、次男の康次郎が10歳、三男の大和が3歳になりました。
ご家族で新たに世界6大陸大冒険に挑戦することになったのは、どのような経緯だったのでしょうか?
達さん
私の体験を書籍に収めたことをきっかけに、講演会に招いていただく機会が増えました。そこで本当にたくさんの共感の声をいただき、私の世界での経験がこんなにもたくさんの人の心を動かし、影響を与えているのだと知りました。それから次第に、家族と一緒に世界を走れば子どもたちに直接何かを伝えられるのかもしれない。そう考えるようになったのです。
佳香さんはこの計画について、どのように思われたのでしょう。
佳香さん
最初は夫の夢物語だと受け止めていました。このとき長男が5歳、次男が2歳半でしたから、普通に暮らしていても子育てで手いっぱいです。世界を自転車で走る?最初はニュージーランド?え、荷物はどうするの?おむつはどれだけ必要なの?ということが頭の中をめぐり、まったくピンと来ていませんでした。
確かにその状況では大変ですね。自転車への不安もあったのでは?
佳香さん
もちろんありました。スポーツバイクに慣れていませんし、後ろに子どもを乗せるのも不安です。でもまあ最後にはなんとかなるかと覚悟を決めました。行くんだ。行かなきゃいけないんだって(笑)。
2015年からはじまった「坂本家世界6大陸大冒険」。これまでどのようなところへ行かれたのでしょう?
達さん
子どもの夏休みを利用した約3ヵ月の期間を使って、世界の異なる大陸や文化を毎年走破することが基本的なプラン、目標です。2015年のニュージーランドを第1ステージとして、第2ステージではスペイン、ポルトガル、スイス、第3ステージにカナダ、アラスカ、第4ステージではネパールやブータン、マレーシア、ブルネイなどのアジア4ヵ国、コロナ禍となった第5ステージでは北海道を走り、直近である2022年の夏はスペインへ。ブルゴスを出発し、キリスト教三大聖地のひとつサンティアゴ・デ・コンポステーラまでのおよそ500キロを約30日間で走ってきました。
まさに有言実行!お子さんがいくつであっても、海外に行くのが難しくても、毎年きちんと家族で冒険を続けられているのですね。
佳香さん
最初はわけもわからず、ただ着いていくという感じでしたが、アラスカに行ったときくらいだったかな、体力がついてきて自転車がラクに走れるように変わった実感がありました。康次郎が小さいうちは夫がチャイルドシートに乗せて走ってくれましたし、毎年子どもの成長に応じて工夫しながらチャレンジしている感じですね。
達さん
私にとっては一人のときと比べて家族と一緒の場合の方が大変、というのが正直な感想です。自分だけならどんな状況でも何とかなるかと思えますが、妻や子どもがいるとそういうわけにはいきません。日本大使館の連絡先や移動のための交通手段の確認など、何かあった場合の安全の確保を第一に計画を考えるようになりました。
子どもが自分で自転車に乗れなくても、家族みんなで冒険に出かけよう。
坂本家の夏の決めごとは、三男の大和くんを佳香さんが身ごもっていた2019年も佳香さんがサポートカーで同行するというかたちで北海道冒険を実現されたそうです。
後編では道中の様子やお子さんの変化、そしてこの冒険を続ける思いについてお聞きしていきます。