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2022.10.26 更新
≪Part②のお話≫
- 10年かけて整備した古道で、トレイルツアー
- 自然に身を任せて進むだけ!ダウンヒル
- 難易度UP!?ヒルクライムにトライ!
松本さんが感じた「山と海のつながり」を私たちも感じてみたいと考え、取材班は松本さんの案内でトレイルツアーと新しく初めたカヤックフィッシングを体験させていただくことに。まずは電動アシスト付きのE-MTBを借りて、平地でレクチャーを受けたら、古道でのトレイルに出発です。

今回は時間短縮のためクルマで山道を上がりましたが、普段は山の下からE-MTBで上ってくるそうです。「ほぼ人力で移動でき、海と山が間近に迫る西伊豆の地形も体感することができますよ」と笑顔の松本さん。ところがクルマが進むに連れ、景色はどんどん山深くなり、トレイル初体験の取材班は「こんな山の斜面を走るなんて、自分にできるの...?」と不安がチラリ。
10分ほど走るとスタート地点に到着。松本さんは、「この辺りはほかの場所よりも明るいのがわかりますか?」と、古道周辺を指差します。人の手が入らなくなった山は、木が過密になり光が遮られて薄暗い一方、古道周辺は整備のために木を切ったことで地面にまで光が差し込んでいます。その結果下草が育ち、野ネズミや野ウサギなどの小動物が戻ってきたのだそう。青々と茂った山を見ながら、松本さんの活動が確かに西伊豆の自然環境を変えているのだと感じました。

山の斜面にE-MTBを降ろしたら、乗り方の練習です。アシストモードを低めに、サドルも低い位置に設定し、ペダルを平行にしてお尻を浮かせ、ペダルの上に立った状態がダウンヒルの基本姿勢。ブレーキは効きが良いので人差し指一本を軽くかけ、残りの指でハンドルをしっかり握ります。
スポーツバイク経験があればそれほど難しくはありませんが、実際にE-MTBにまたがってみると、クルマから見ていたよりも路面の傾斜が強く、道も舗装されていないので、普段まち乗りしかしていない取材班の不安は最高潮。

「じゃあさっそく行きますか!」と進み出した松本さんの背中を追って、取材班もペダルをこぎ出します。パキパキッとタイヤが枯れ枝を踏みしめる音とともに、E-MTBトレイルがスタート。未舗装の山道はでこぼこと不規則で、バランスを取るのに一苦労ですが、電動アシスト機能のおかげで軽いペダリングでもぐんと進むため、ハンドル操作に集中することができます。

「ここから立ちこぎで行きましょう!」松本さんの声に合わせて基本姿勢をとると、そこからはあっという間。木の根元や段差、急なカーブ。予測のつかない状況をなんとか乗りこなそうとハンドルを握りしめると、路面の変化が振動としてダイレクトに伝わり、車体と自分の身体が一体になったような感覚です。必死でハンドルを握っていると、気づけば坂がゆるく開けた場所に松本さんが待っていました。

ほんの数十秒のライドでしたが、無事に走り切った安堵でハーッとため息が漏れ、手には汗がじわり。カサカサと吹き抜けた風につられて振り返ると、駆け下りてきた斜面が後方に広がります。あんなところから下って来たんだ、と、改めて驚きがこみ上げてきます。
「意外と走れたでしょう。では来た道を引き返して、坂を駆け上る『ヒルクライム』もやってみましょう」と松本さん。E-MTBの大きな魅力のひとつは、初心者でもかんたんにヒルクライムが楽しめること。本来上り坂はパワーも技術も必要とされ、難易度が高いのですが、電動アシストの力を借りれば初心者でもトライすることができます。

手元のレバーでサドルを上げ、アシストモードを高めに設定。「お尻をつけて重心を低くして、後はとにかくペダルをこぐこと。そうすれば急な傾斜でも進みますよ」。松本さんのアドバイスを聞きつつ、「下りは自転車任せでなんとかなったけれど、本当に上れるの...??」とやはり半信半疑。ですがペダルを踏み込むと、先ほどよりも強くアシストされて面白いようにぐんぐん前進します。E-MTBの力を借りつつもこぎ続けなければ止まってしまうので、『自分で操作している感覚』があり、下りと同様に変化する路面状況を乗りこなす楽しさも味わうことができました。

「初心者が自力で上るにはかなりハードルが高いですが、E-MTBならこうして上り切ることができます。短いルートを往復してスキルを上げるにももってこい。ではもう一度行きましょう」。松本さんの背中に続いて、「今度はさっきよりも上手に走りたい!」と思いながら、ペダルを踏み込みました。

変化する景色や木々のざわめき、
そして自分でこいでいるという達成感。
3往復ほどするころには、
すっかりE-MTBでのトレイルに夢中になっていました。
もっと乗りたい!という名残りを惜しみつつ、
「では、海へ」という松本さんの言葉を合図に、トレイルツアーが終了。
Part3では、フィールドを海に変えて
カヤックフィッシングの様子をお伝えします!
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