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01
株式会社はてなの健康サポート
2015.01.22 更新
自転車圏内の近距離通勤者には月額2万円が支給されているとか、専用の駐輪場が確保されているとか、自転車通勤を積極的に取り入れられている(株)はてなさん。はてなブログをはじめ、インターネットの各種サービスを提供するIT企業にとって自転車がどのように機能しているのかお聞きしてみました。

今、どのくらいの方が自転車通勤をされているのですか?
総務部 松田さん
東京オフィスと京都オフィス合わせて約40名くらいですね。
全従業員数が約80名ですので、半数近くが自転車通勤をしていることになります。
全従業員数が約80名ですので、半数近くが自転車通勤をしていることになります。
それは高い割合ですね。
自転車通勤社員への支援制度はどのような内容なのですか?
自転車通勤社員への支援制度はどのような内容なのですか?
総務部 松田さん
まず、駐輪場の確保です。東京オフィスではこのビル内に場所が無いため、近隣の駐車場の一角を借りています。
東京都の条例で、自転車通勤を推奨する企業には駐輪場を確保することが平成25年から義務づけられていますが、そういう面では私たちはいち早く取り組んでいたことになりますね。
東京都の条例で、自転車通勤を推奨する企業には駐輪場を確保することが平成25年から義務づけられていますが、そういう面では私たちはいち早く取り組んでいたことになりますね。
特に東京は土地の価格が高いため、なかなか確保しにくいですしね。
総務部 松田さん
そうです。東京オフィスが出来たのが2005年でその頃から自転車通勤を推奨していましたから。その他の支援策としては、損害賠償責任保険の費用の負担、半径5kmの近距離通勤者には手当として1ヵ月あたり2万円を支給しています。
そもそも自転車通勤を推奨されてきた理由は何だったのですか?
総務部 松田さん
創業者である現会長の近藤が昔からロードレースに親しんでいたこともあり、弊社設立の2001年から率先して自転車通勤をしていました。
その姿に周囲が次第と影響されていったという背景があります。
さらに私たちの場合、深夜にサーバーダウンが起こるなどの緊急事態に備えておく必要があったため、どんな場合でもすぐさま対応できるようにするには時間を気にせず自由に移動できる自転車が一番だったのです。それが自転車通勤が根付いてきた大きな理由だと思います。
でも今は、やはり健康づくりとしての役割が大きいです。
IT業界はほとんどのスタッフが1日中パソコンに向かっている状態ですから少しでも身体を動かす時間をもつためにも積極的に自転車通勤をして欲しいという思いがあります。
その姿に周囲が次第と影響されていったという背景があります。
さらに私たちの場合、深夜にサーバーダウンが起こるなどの緊急事態に備えておく必要があったため、どんな場合でもすぐさま対応できるようにするには時間を気にせず自由に移動できる自転車が一番だったのです。それが自転車通勤が根付いてきた大きな理由だと思います。
でも今は、やはり健康づくりとしての役割が大きいです。
IT業界はほとんどのスタッフが1日中パソコンに向かっている状態ですから少しでも身体を動かす時間をもつためにも積極的に自転車通勤をして欲しいという思いがあります。
IT業界は特に「頭」を使うイメージがあります。
だからこそ「運動」が必要なんですね。
だからこそ「運動」が必要なんですね。
総務部 松田さん
私はランニングを日頃からしているのですが、運動が脳にもいいことは自分の体験から実感しています。
自転車なら満員電車に揺られることもなく、電車の乗り換えに時間を取られることもない。つまり体力と時間のロスを省けるんですよね。
それだけ出勤後にスキッと仕事に取りかかれて、生活にいいリズムが出来る。
結果、総体的な作業効率の向上につながっていると思います。
自転車なら満員電車に揺られることもなく、電車の乗り換えに時間を取られることもない。つまり体力と時間のロスを省けるんですよね。
それだけ出勤後にスキッと仕事に取りかかれて、生活にいいリズムが出来る。
結果、総体的な作業効率の向上につながっていると思います。
作業効率の向上を実感されることはありますか?
総務部 松田さん
数値化して測定しているわけではないので、具体的なものとしては提示できないのですが、残業時間が少ないことが関係しているかもしれません。朝10時に出勤して、大抵19時半から20時には全員が退社しています。
IT業界は深夜まで働いているというイメージが強いかもしれませんが、実は規則正しいんですよ(笑)
IT業界は深夜まで働いているというイメージが強いかもしれませんが、実は規則正しいんですよ(笑)
自転車通勤以外にも、社員の健康管理に気づかってらっしゃるそうですね。
総務部 松田さん
京都・東京オフィスともに、プロの手作りランチを提供しているのは珍しいようですね。東京の場合、料理家の方と契約して、近隣のマンションで一汁二菜を作ってもらって毎日オフィスに運んでいます。野菜をたっぷり使った日替わりのメニューは社員に好評で、ランチタイムになるといろいろな部署から自然に集まってセンターテーブルで一緒に食事をとるのも、いい気分転換になっているようです。
社員の健康に意識を払うのも、
企業にとって重要な役目になっているのでしょうか。
企業にとって重要な役目になっているのでしょうか。
総務部 松田さん
私たちのような業界は、毎日コンピュータに向かって作業している印象が強いですが、そのコンピュータを駆使しているのは他でもないひとり一人の社員です。
みんなが気持ちよく仕事に取り組める環境づくり、さらには健康を維持・向上させていくための制度づくりは会社の発展を支える生産性向上のためにもとても重要だと考えています。
離職率が高いと言われるこの業界にありながら弊社の定着率が高いのは、それだけこの職場環境に満足してもらっている証だと思います。
みんなが気持ちよく仕事に取り組める環境づくり、さらには健康を維持・向上させていくための制度づくりは会社の発展を支える生産性向上のためにもとても重要だと考えています。
離職率が高いと言われるこの業界にありながら弊社の定着率が高いのは、それだけこの職場環境に満足してもらっている証だと思います。
それでは、実際に自転車通勤をされている2名の社員の方に、
仕事の効率アップにどのように役立っているのかお話しを聞いてみます。
仕事の効率アップにどのように役立っているのかお話しを聞いてみます。
シニアアプリケーションエンジニア
松木 雅幸さん
大学時代はサイクリング部に所属し、4年間自転車通学をしていた経歴をもつ。
(株)はてなへの入社をきっかけに 自転車ライフを復活。
ビジネス開発本部 営業部
村上翔太さん
新卒で(株)はてなに入社したと同時に自転車通勤を開始。それまでスポーツバイクの経験がなかったものの、通勤を機に購入。
とても恵まれた職場環境でうらやましいばかりです。
松木さん
ありがとうございます。私自身も入社する際に、このさまざまな制度や自転車好きが集まっている雰囲気に惹かれました。今は駐輪場等への不安やストレスがなく、安心して自転車通勤できるのでとても助かっています。
村上さん
私はもともと自転車に興味があまりなかったのですが、通勤で使うようになってその快適さに驚きました。片道15分ほどですが、電車で通勤するよりも自由で気持ちよく、移動時間のロスもありません。それに手当がもらえることもありがたく感じています。
通勤時間に自転車で軽く運動できることによる、
仕事への好影響はありますか?
仕事への好影響はありますか?
松木さん
私はエンジニアですが、仕事効率と身体のコンディションはとても深くつながっていると考えています。片道15分を自転車で走っていると、考えを整理できたり、ふといいアイデアが湧いてきたりするんですよ。
古来からアイデアの出る環境と言われている「三上」が、「枕上」(枕の上、寝る前)、「厠上」(トイレで)、「鞍上」(馬の上で)ですが、現代ではこの「鞍上」は自転車に相当するのではないかと思いますね。
古来からアイデアの出る環境と言われている「三上」が、「枕上」(枕の上、寝る前)、「厠上」(トイレで)、「鞍上」(馬の上で)ですが、現代ではこの「鞍上」は自転車に相当するのではないかと思いますね。
村上さん
私は営業職として、結構お客さまと自転車の話題で話が弾んだりしていますね。この業界は意外と自転車好きな方が多いんです。
訪問の際に「自転車で来ました」と言うと、驚かれて、そこからコミュニケーションにつながることもよくあります。
訪問の際に「自転車で来ました」と言うと、驚かれて、そこからコミュニケーションにつながることもよくあります。
松木さん
それに、朝、頭を覚醒させるのにも役立ってると思います。
自転車に乗っているときは、周囲の状況を見ながら常に判断を繰り返しているわけなので仕事に向かう際にはちょうどエンジンがかかっている感じですね。
自転車に乗っているときは、周囲の状況を見ながら常に判断を繰り返しているわけなので仕事に向かう際にはちょうどエンジンがかかっている感じですね。
村上さん
確かにそうですね。安全運転のために神経を使いますからね。あと、退社するときも自転車に乗った瞬間が仕事終わりのスイッチになっているように思います。切り替えのサインになっているような。
松木さん
そうそう。私は毎日仕事で脳をフル回転させている感じなので、そのまま帰宅すると頭が冴えてしまって寝付けなくなるんですよ。でも適度に運動しながら帰ることで、身体と頭の疲れのバランスが取れて良い眠りにつながっていると思います。
きちんとした生活リズムやコンディションが、仕事の成果につながっていると?
松木さん
それは本当に感じますね。仕事の効率、いわゆるパフォーマンスの向上とともに生産性が上がっていることは間違いないです。これはもう理屈でなく、身体で実感することじゃないでしょうか。実は私、プレゼンテーションの練習も、山道を自転車で走りながら声を出してこっそりやっていまして(笑)肺活量が上がるので声を張ることができて、いいこと尽くしです。
村上さん
私もまったく同感です。毎朝シャキッとした気持ちで仕事に取り組めることはその日の成果に大きく関わりますから。特に自転車愛が強かったわけではありませんが、こんなに長く乗っていることを考えると、かなり自分自身にフィットしているんでしょうね。
これからも(株)はてなさんらしいユニークなサービスを期待しています。ありがとうございました。
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