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2019.04.26 更新
≪Part②のお話≫
- 山を学び、山を整える。
- この山を楽しむ一番のツールはマウンテンバイク。
- 山の新たな観光として14の自治体に自らプレゼンテーション。
- 2013年、YAMABUSHI TRAIL TOUR始動。
仕事をしながら休日に山に入って古道の整備に取り掛かり、
その後どうなっていったのでしょうか?
その後どうなっていったのでしょうか?
松本さん
山の知識が圧倒的に足らないことに気づき、地元の林業チームに所属して木の切り方、残し方など基礎から学ぶことにしました。
山は権利者が混じり合っていることが多いので、複雑な山独自の交渉や契約の仕方についても勉強しました。次第に調理師の仕事よりもこっちのほうが中心になって、協力してくれる仲間も増えていきました。
それは心強いですね。
松本さん
機材もどんどん本格化していって、少しずつ古道の姿があらわれはじめ、結局1年ほどで10kmほどの古道が3本よみがえりました。
命を吹き返した古道で、自転車によるトレイルツアーをすることは
決めていたのでしょうか?
決めていたのでしょうか?
松本さん
どんなアクティビティがふさわしいだろうと考え、この道を楽しむにはオートバイよりも自転車(マウンテンバイク)だなと決めていました。僕は海外をずっとオートバイを相棒に旅していましたが、ここにはふさわしくないなと思ったのです。
それはなぜでしょう?
松本さん
一番の理由は「音」です。オートバイはエンジン音が鳴り響いてうるさいんですよね。もちろんその音が高揚感にもつながるのですが、この静かな山の中では鳥の声などの自然の音がかき消されるのがもったいないと。エンジンのない自転車は、風を切って颯爽と走る開放感とともに、タイヤが落ち葉を踏みしめるかすかな音まで聞き取れます。そしてオートバイに比べて軽いので取り回ししやすいことも魅力でした。この山の素晴らしさを肌で楽しんでもらう方法には、自転車一択でしたね。
古道の整備と共に、トレイルツアーを行うには
自治体や権利者の許可が必要になりますよね?
自治体や権利者の許可が必要になりますよね?
松本さん
まずは自治体をはじめ、権利者など地元の方の賛同を得なければなりません。この山には14の地区が関わっているため、僕はまず「西伊豆古道再生プロジェクト」として資料をまとめました。伝える相手は年配の方が多いので、わかりにくい英単語を盛り込まずに、伝えたいことを誰もがわかる平易な表現を徹底。夏の観光に頼りがちな西伊豆に、冬でも雪が降らない立地環境を強みとして一年中楽しめるマウンテンバイクのアクティビティを提供でき、新たな観光客を誘致できること、山の観光を新しく作る取り組みであることをアピールしました。
関連する自治体すべてに自らプレゼンテーションを行われた
ということでしょうか?
ということでしょうか?
松本さん
そうです。町長にも直接お話させていただきました。結果はどこもOK。反対する方は誰一人としていらっしゃいませんでした。マウンテンバイクのトレイルツアーに加え、定期的な山の整備も任せていただけることになりました。
それはすごいですね!
具体的にトレイルツアーが動き出した瞬間ですね。
具体的にトレイルツアーが動き出した瞬間ですね。
松本さん
コースの整備に取り掛かり、2013年からYAMABUSHI TRAIL TOURを開始しました。狙い通り、冬でも雪が降らないことからクローズすることもなく、年中楽しんでいただいています。今ではリピーターの方や外国人観光客の方もわざわざここまで足を運んでくださっていますね。
コースは現在、どのような設定なのでしょう?
松本さん
マウンテンバイクを経験したことのないビギナーや子ども連れの方が楽しめるコースもあれば、マウンテンバイク上級者向けのウォール、バンク、スイッチバックといった本格コースまで多彩にそろえています。山へはうちのスタッフがクルマで自転車を積んで一緒に上がり、ガイドをしながら一緒に下りのライディングを楽しんでいただくスタイル。最近はビギナーの方の割合が増えてきているように感じます。
初心者が安心してマウンテンバイクを楽しめるところが
意外と少ないのかもしれませんね。
意外と少ないのかもしれませんね。
松本さん
そうなのでしょうか。こうして観光客がここを目当てに訪れてくださるようになってうれしい反面、実はその後新しい問題が浮上してきたのです。
地元の人の快諾を得て、トレイルツアーの実施にこぎつけた松本さん。
冬でも雪が降らないという西伊豆の自然環境も後押しして
冬場の観光誘致に成功します。
しかし、松本さんの取り組みはこれで終わりません。
お話は、第3回へと続きます!
冬でも雪が降らないという西伊豆の自然環境も後押しして
冬場の観光誘致に成功します。
しかし、松本さんの取り組みはこれで終わりません。
お話は、第3回へと続きます!