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2017.01.30 更新
「自転車のチカラで地元を盛り上げていきたい」という熱意を抱いた自転車仲間が中心になり、
埼玉県さいたま市で2011年から年に1回開催されています。
"おとなとこどものじてんしゃ運動会"というコンセプトのもと、
自転車好きも、そうでない人も、みんながひとつになって楽しめることが大きな特徴。
今回は、2016年12月3-4日に開催された「秋ヶ瀬の森バイクロア6」にお邪魔し、多くの人をとりこにする
バイクロアの魅力を探ってきました。
まだ日が昇ったばかりの朝7時。
肌をさすような寒さの中、「秋ヶ瀬の森バイクロア6」の2日目がはじまります。
エントリーの受付が始まると、チェックインカウンターの前には人がズラリ。
ほとんどのレースで、エントリー数が定員の80名に達していました。
午前中のレースの中でも、特に注目を集めていたのが、
3〜5歳のちびっこが走り回る「キッズクラス」。
コースが会場の中心にあるため、お父さんお母さんだけでなく、
通りすがりの方も思わず足を止めて見守っています。
子どもたちはというと、コースに散らばる風船を避け、小さな障害物を乗り越えながら疾走!
中には風船を避けるうちに、逆走してしまう子どもも。
応援せずにはいられないレース展開に、観客の皆さん、ついつい見入っている様子です。
「キッズクラス」の次は、デニムを愛する男女が
お気に入りのファッションで走り抜ける「デニムクラス」。
参加者はもちろん真剣そのものですが、上下デニムの紺色集団が自転車をこぐ姿に、
見ているこちらはどことなく違和感(笑)。
Gジャンやデニムワンピースなど、おしゃれに決めている方ばかりなので、
転んで泥だらけになると、せっかくのファッションが汚れるその姿に観客から「あーぁ」と残念がる声があがります。
こういうところにも不思議な一体感が。
デニムクラスが終わると、お昼休憩の時間。
皆さんがくつろがれているところに伺い、バイクロアの感想を聞いてみました。
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それでは、地元飲食店の出店者の方々にとって
バイクロアはどのような「場」になっているのでしょうか?
お昼休憩の後の午後の最初のレース、最速を競う「ファストクラス」が終わると、
残すは2日間の最後を飾る「オウルクラス」のみ。
このクラスは秋ヶ瀬公園に生息しているフクロウにちなみ、
レース参加者全員が仮装して走る、バイクロアで最も盛り上がるレースだそうです。
レース参加者を見ていると、「人間」とはいえない姿の方がほとんど(笑)。
まるで異界の自転車レースです。
会場からは「マッチ追い上げろー」「白鳥頑張れー」と仮装の名前で声援が。
見た目で呼び名がわかる分、知らない選手でも応援がしやすく、
会場のあちこちからつねに大きな声が飛び交います。
その歓声に応えるのも、選手たちの楽しみのひとつ。
観客とハイタッチをしたり、子どもたちにお菓子を配ったりと、
一人ひとりの積極的なパフォーマンスに、観客はさらにわいていました。
この後、表彰式が行われ、参加者一人ひとりが全力を出し切り、
皆を熱狂と笑いに包んだ第6回のバイクロアは終了。
めいめいが帰路についていくその後ろ姿は
遊び疲れた子どものように、ほどよい脱力感と充足感に満たされていました。
実行委員会の皆さん、ありがとうございました。
「勝つ」ことに執着するのが参加者の目的です。
でもバイクロアでは、「勝ちたい」以上に、この場を目いっぱい「楽しむ」ことを
大切にしている人がたくさんいらっしゃいました。
だから「おとなとこどものじてんしゃ運動会」なのだと、納得しました。
この町の人と、県外の人と、自然につながり合い、
ありそうでないここだけの体験ができるから楽しい。そしてまた来たいと感じる。
バイクロアに参加する中で生まれたさまざまな思いが
つながりながら大きくふくらみ、広がって、
このような形になっているのだと思います。
「地域活性」といえば何だか小難しそうですが、
自転車が好き、埼玉の町が好きという思いが結びつき、
みんなが無邪気に笑いあえる場をつくることで、人の、町の、元気を生み出すことができると 実行委員会の5人は信じているのではないでしょうか。
これからきっと、もっと、発展していく「バイクロア」。
皆さんもぜひ、この場へ足を運んでこの楽しさを体感してください。
自転車以外のお楽しみまで
ユーモアたっぷり。
すべての人が快適に過ごせる空間にするため、会場内のいたるところに細やかな配慮が。
「参加者は仲間」と考えるバイクロアスタッフの思いが表れています。