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2022.09.14 更新

自転車運動は、ランニングやウォーキング、
筋力トレーニングと比べて、風を切る心地よさを感じられる、
ギアを変えて強度を調整できるなど
比較的疲れにくいという特徴があります。

ですが、筋肉を鍛えるにはある程度の負荷が必要なはず。
自転車運動による筋肉への効果はあるのでしょうか。

まずは、筋肉のつきやすさに男女差はあるのか?
という疑問から見ていきます。

監修:順天堂大学 スポーツ健康科学部 谷本 道哉 先任准教授

Health Interview

レジスタンストレーニング介入による筋肥大効果

こちらは585名の男女を対象に腕を鍛える12週間の
筋力トレーニングを行った実験結果です。
筋肥大率の中央値は男性で20.4%、女性で17.9%と
それほど大きな差は見られず、
男女共にほとんどが5%から30%増大までの範囲に分布しています。

この幅広い数値のばらつきは、個人差によるもの。
筋肉がつきやすい女性もいれば、つきにくい男性もおり、
男女差よりも個人差の方が大きいことがわかります。

そして、個人差は大きくてもほとんど効果がないという人は極めて少なく、
鍛えれば男女問わず筋肉はつくと言えます。

運動中の筋酸素化レベルの時間変化

次に、主観的なキツさの低い自転車運動でも脚の筋肉を鍛えることができるのかを
谷本先生の実験データから紐解きます。

データ②は5分間の自転車運動とランニングを比較した実験結果です。
筋肉内の酸素量を示すデータ②では、
自転車運動はランニングよりも運動中の数値ががくんと下がることがわかります。

自転車運動中の筋内は低酸素状態が続き、
乳酸などが蓄積されることが筋肥大の有効な刺激
になるようです。

運動前安静時と運動直後の大腿部筋横断面積変化

この結果を裏づけるのが、データ②の運動後の
一時的な筋肉の断面積(太さ)を計測したデータ③。

ランニングと比較して、自転車運動の方が
断面積が大きくなっている
ことがはっきりとわかります。
乳酸の蓄積で筋肉が一時的に水膨れを起こし、断面積が大きくなっています。

12週間の介入実験による筋肥大効果

さらに、自転車運動でも筋力トレーニングと同じように
筋肉を鍛えられるのか?という疑問をデータ④から見てみます。

5分間の高強度の自転車運動を週3回、12週間継続した群と、
何もしない対照群の筋肉の断面積を比較した結果、
自転車運動によって筋肉の断面積が有意に大きく変化。

その変化の値は、高強度の下肢の筋力トレーニングと同等の効果が認められました。
脚筋力をつけるのに、自転車は有効な選択の一つと言えそうです。

筋肉のつき方は男女差よりも個人差であり、
負荷を高めに設定することで、自転車運動も
筋力トレーニングと同等の効果が得られるということがわかりました。
ときには強度の高い「がんばる時間」をつくり、
「腿が張っている!」と筋肉への刺激を実感しながら、
スタイルアップや体力アップなどの身体の変化を楽しんでください。

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