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Data.19良い腸内フローラを育てる、食事と運動の関係。
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2022.07.06 更新
私たちの腸内にはたくさんの細菌が共生して暮らしており、
この細菌たちが密集した「腸内フローラ」の状態が、
身体や心の調子に大きく関わります。
「良い腸内フローラ」の条件は、菌種が多様であること。
腸内フローラの菌種を増やし、"良い調子"をつくるための、
食事と運動の関係について考察します。
監修:岡山大学大学院 環境生命科学研究科 森田 英利 教授
アスリートと一般人の腸内フローラの多様性比較
まずは「運動によって腸内フローラが多様になる」という事実を確認します。
上記のグラフは、プロのラグビー選手と、運動をしていない通常体型の人、
運動をしていない肥満体型の人の群を比較した、腸内フローラの解析結果です。
3つの群の中で、ラグビー選手が飛び抜けて
腸内フローラの菌種の多様性が高いことは一目瞭然。
通常体型の人よりも肥満体型の人の方が菌種の多様性が低い傾向にあるようです。
運動の有無に関わらず、体脂肪率が高いほど腸内フローラの状態は
望ましくないと考えられます。
運動とホエータンパク質摂取による腸内フローラの変化
次に、運動と食事による腸内フローラの変化を見てみます。
上記のグラフは90名の一般人を、汗を流す程度の運動を行う群、
タンパク質摂取と運動を行う群、タンパク質摂取のみで運動を行わない群にわけ、
腸内フローラの構成を比較した結果です。
なお、この実験に使用したタンパク質は、
牛乳から乳脂肪分などを除いたホエータンパク質です。
8週間後、運動を行った2つの群はそれぞれ菌種が多様化していますが、
タンパク質摂取のみの群はほとんど変わっていませんでした。
運動とホエータンパク質摂取実験前後の
腸内フローラの変化
さらに、被験者の実験前後の腸内フローラの構成を比較。
実験前は個人によりばらばらだった90名が、実験終了8カ月後には
運動を行った群は運動に、タンパク質摂取群はタンパク質の消化・吸収に適した
腸内フローラの構成に変化したのかもしれません。
タンパク質を摂取した2つの群は変化の傾向が類似していますが、
上の②の図のとおり、タンパク質摂取と運動を行った群の方が
細菌の種類は多様性に富んだ結果に。
2つの結果と合わせて、食事と運動の相乗効果で、
腸内フローラがより良い構成に変化したのではないかと考えられます。
食事・運動どちらでも腸内フローラは変化する一方、
菌種の多様性を高めるには食事と運動、
相互のアプローチが有効なことは間違いないよう。
食事の見直しと、意識的な運動の両輪をくるくると回し続けることで、
より多様な腸内フローラを育てていきましょう。