Life Style ライフスタイル
2015.08.17 更新
汗をかいたり、涼しい部屋にこもったり。
体調をくずしがちなこの時期にこそ、
身体が求めるものを。
(株)シマノが運営する「Life Creation Space OVE」のカフェで腕をふるっているフードセラピストの石光さん。季節や気候の変化を察知し、旬の食材と味付けに工夫を重ねるその味わいは、「一度食べたら忘れられない」とリピートするファンが多いそうです。
東洋医学の陰陽五行の考え方を基本に、日本の「旬」を大切にした石光さんの料理への思い、そして夏場に体調を整えるおすすめレシピについても教えてもらいました。
お腹がグゥ~となるかも?の美味しいコンテンツ、前後編でお届けします。
石光 映美子(いしみつ えみこ)
東洋医学陰陽五行を軸に、空間と食・大切な人に贈る食を提供するフードセラピストとして活動。株式会社シマノが運営する「Life Creation Space OVE」のcafeでメニュー開発や食事の提供を行うかたわら、「earthday いのちの森」明治神宮の食プロデュースを行うなど、さまざまな方面で活躍中。
豚肉、夏野菜、緑豆...。
体内の余分な熱や水分を逃す食材を上手に取り入れて。
豚肉がしっとりと柔らかく、それでいて味がしっかり絡んでいてとても美味しいですね。これなら食欲のないときにも食べられそうです。
石光さん
豚肉の栄養価は先ほどお話しした通りで、夏のビタミン不足を補うのにちょうどいいんです。
それにこの夏野菜。ズッキーニにパプリカ、キュウリもそうですが、身体にこもった熱を下げ、利尿効果も期待できます。
あとは味付けにニンニクとショウガをたっぷり使っていることもポイント。
甘酸っぱいタレと相まって、食欲をくすぐる味付けにしています。
それにこの夏野菜。ズッキーニにパプリカ、キュウリもそうですが、身体にこもった熱を下げ、利尿効果も期待できます。
あとは味付けにニンニクとショウガをたっぷり使っていることもポイント。
甘酸っぱいタレと相まって、食欲をくすぐる味付けにしています。
豚肉のソテーパイナップル甘酢ソース
- 材料
-
- ● 豚肉
(今回はスペアリブ)400g - ● ズッキーニ2本
- ● プチトマト10個位
- ● らっきょう20個
- ● 赤ピーマン1個
- ● にんにく1片
(みじん切り) - ● 玉ねぎスライス(水にさらしておく)
- ● 片栗粉適宜
- ● 自然塩適宜
- ● こしょう適宜
- ● サラダ油適宜
- ● ごま油適宜
- ● 豚肉
- 合わせソース
-
- ● パイナップルジュース100cc
- ● 柿酢50cc
(無い時は米酢45cc) - ● 醤油25cc
- ● 自然塩小さじ1杯
- ● 鷹の爪2本
- ● 片栗粉大さじ1
- ● にんにく1片
(すりおろす) - ● 生姜1片
(すりおろす)
- 作り方
-
- ① 豚肉に、塩とこしょうをすり塗り片栗粉を全体にまぶす。
- ② フライパンに多めの油をしき、にんにくを入れてから火をつける。
- ③ ②を弱火でゆっくり香りをたたせてから、中火にして①を入れまわりをきつね色に焼く。(この時は、中は火を通らせなくても良い)
- ④ ③にズッキーニ、トマト、赤ピーマンを入れて全体に油がまわるくらいソテーをする。
- ⑤ ④に合わせソースを入れフツフツしてきたら、蓋をして弱火にし、肉に火を通す。(合わせソースの片栗粉が下にたまりやすいので、入れる時によく混ぜる)
- ⑥ らっきょう、ごま油を香り付けに回しいれ火を止める。
- ⑦ 玉ねぎスライスをのせてできあがり。
日中遊んで、汗をしっかりかいた後にスタミナを取り戻すことができそうですね。
では次の一品をお願いします。
では次の一品をお願いします。
石光さん
もう一品には緑豆(りょくとう)を使います。
これも身体にたまった熱や水分をコントロールする働きがあるので夏におすすめです。夏バテやむくみが気になる人にもいいですよ。
これも身体にたまった熱や水分をコントロールする働きがあるので夏におすすめです。夏バテやむくみが気になる人にもいいですよ。
なすやキュウリ、インゲンなどの緑豆に合わせる夏野菜も同じように熱や水分を外に出す働きがあるんですよね。
彩りもきれいで、さわやかです。
彩りもきれいで、さわやかです。
茄子と青菜の緑豆ディップ和え
- 材料
-
- ● 青菜 1/3束(今回は春菊を使用)
- ● 茄子小さめ3本
- ● インゲン5本
- ● キュウリ1本
- ● みょうが1個
- ● 醤油小さじ1
- 緑豆ディップ
-
- ● 緑豆80g
- ● 醤油大さじ1
- ● 砂糖小さじ2
- 作り方
-
- ① 緑豆を水に30分浸しておく。
- ② 鍋にお湯を沸かし茄子を入れ2分ゆでてから、同じ鍋に青菜を入れ1分一緒にゆでる。インゲンも3分茹でる。
- ③ ②をザルにあげて、氷で冷やし色を鮮やかに保つ。
- ④ ③の水を切り、醤油を入れて軽く混ぜたら出てきた水分を切る。(洗い醤油をすることによって水っぽくならずディップが、絡みやすい)
- ⑤ キュウリを大き目にカットし塩で軽くもみ、水で洗い流す。
- ⑥ ①の水に浸しておいた緑豆を手でつぶせるくらい、やわらかく煮る。
- ⑦ ザルにあげてから、すり鉢でペースト状にする。(フードプロセッサーでも良い)
- ⑧ ⑦に醤油と砂糖を入れる。
- ⑨ ⑧に茄子と青菜を混ぜ合わせ、みょうがをのせてできあがり。
石光さん
暑いときは氷を入れた冷たい飲み物を無意識に飲んでしまうことが多いですよね。しかし身体、つまり内臓が冷え切ってしまうと夏バテの原因になってしまいます。
夏の暑い時期だからこそ、内臓を冷やさないように意識してショウガやネギ、ミョウガなどの香味野菜をたっぷり摂って粘膜を守るようにするのがおすすめです。
夏の暑い時期だからこそ、内臓を冷やさないように意識してショウガやネギ、ミョウガなどの香味野菜をたっぷり摂って粘膜を守るようにするのがおすすめです。
パイナップル ジンジャージュース
- 材料
-
- ● パイナップルジュース
(100%果汁)200cc - ● ジンジャーシロップ小さじ1
- ● ミントの葉適宜
- ● パイナップルジュース
- ジンジャーシロップ(材料)
-
- ● 生姜スライス150g
- ● 砂糖(きび糖を使用)150g
- ● 水150cc
- ● レモン汁1個分
- ● クローブ2~3粒
- ● シナモンスティック1本
- ● ブラックペッパー5粒
- 作り方
-
- ① ジンジャーシロップをつくります。レモン汁以外の材料を厚手の鍋に入れて火にかける。
- ② ①が沸騰後10~15分したら火にかけた状態でレモン汁を入れ、さらに沸騰したら火を止める。
- ③ さました②とパイナップルジュースをコップに入れ、ミントの葉を添えてできあがり。
このパインジュースにもジンジャーシロップを合わせるのが良いそうですね。
石光さん
冷えが気になる人には体温を下げすぎないように温める効果のあるショウガを活用していただきたいですね。
先ほどの料理に使ったラッキョウも温め効果が期待できます。
先ほどの料理に使ったラッキョウも温め効果が期待できます。
食べたいものを自分の身体に聞いてみる。
それも良いコンディションを保つひとつの方法。
現在、冷えや疲れ、ストレスなどの未病に悩んでいる人が多いと思いますが、このような方にこそ五味五色の食を上手に活用してもらいたいですね。
石光さん
そうなんです。薬と違って食べてすぐに不調が改善されるということはありませんが、日頃から体調を意識した食事を摂るようにすることで、良いコンディションを保つことはできると思います。
私自身、先日ちょっと驚いたことがあったんです。
ベトナム料理のイベントがあり、たまたま数日にわたってベトナム料理を食べることが続きました。
フォーやニョクマム、香味野菜などの食事を摂っていたら自分でも驚くほど体調が良くなっていったのです。
え?ベトナム料理を食べ続けただけで?
石光さん
その前までは胃の下あたりにチャポチャポとした不快感があって「めぐりが悪いなあ」と自分でも感じていたのですが、このときの天候や私の体調とベトナム料理が合ったのでしょうね。なんだかスッキリとして、持病の喘息も治まっていきました。
夏場は特に、外でたくさん汗をかいたり、クーラーのきいた部屋で涼んだりと寒暖差によって体調を崩すケースも多いですから、熱がこもっていても実は内臓が冷えていたり、水分をしっかり摂っているつもりでも不足していたりと、より体調に気づかうことが大切ですね。
石光さん
その通りです。たとえば冷や奴を食べるときにネギやショウガを乗せるのが一般的ですが、たまには食べたいと感じるものを自問自答して取り入れてみるのもいいですよ。
冷や奴にスライスした玉ねぎを乗せて、熱々のごま油をジュッとかけてみたり...。そんな風に「いま求めている食べ物」を自分の身体に聞いてみると食に対する新たな発見があると思います。
冷や奴にスライスした玉ねぎを乗せて、熱々のごま油をジュッとかけてみたり...。そんな風に「いま求めている食べ物」を自分の身体に聞いてみると食に対する新たな発見があると思います。
OVEでは、ランチに週に何度も来られるリピーターのファンの方が多いとお聞きしています。
これからもさらなるご活躍を期待しています。ありがとうございました。
これからもさらなるご活躍を期待しています。ありがとうございました。