2018.12.07 更新

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北里大学 一般教育部特別研究員
西本 真寛

組織における健康づくり、特にメンタルヘルスの研究が専門。経済産業省の健康経営オフィスレポートの策定などに参画する他、ヘルスケア・アプリやサービスの開発支援なども行っている。東京大学大学院医学系研究科修了。

後編のお話

  1. ① ストレスを抱える出来事が起こったら。
  2. ② 凹んだ心を回復させる「レジリエンス」。
  3. ③ 定期的な運動もレジリエンスを高める方法。
  4. ④ ひとりになれる時間も大切。
Cyclingood
西本さん、早速ですが「感情のコントロール」について教えてください。「感情のコントロール」はなぜ大切なのですか?
仕事や人間関係で何らかのトラブルが起こったら、どんな気持ちになりますか?多くの人は落ち込んだり、不安や悲しみを抱えがちになりますよね。このような心が凹んだ状態が長く続いてしまうと、心の健康度を損なうばかりか、身体にまで何らかの影響が起こる可能性が高まります。これは決して良い状態とは言えませんね。
Cyclingood
不安が募ったり落ち込んだときは、食事が喉を通らないということにもなりがちですね。
そういう場合もありますよね。そうした何らかのトラブルや、ストレスなどで感情がかき乱されたとき、重要になる心の働きが「レジリエンス」です。レジリエンスが高いと、心が凹んでしまった状態からの回復が早く、ストレスの影響を受ける時間を短くできると考えられます。
Cyclingood
「レジリエンス」は知りませんでした。詳しく言うと、どういった特徴があるのでしょうか。
レジリエンスは、失敗したり挫折したときに、その状況を学びとして前向きに受け止め、今後に活かそうとしていく心の働きです。この言葉には復元力という意味があります。
Cyclingood
心の復元力…。まるでしぼんだ風船が膨らみを取り戻していくような感じですね。
レジリエンスは心のしなやかさとも言われますね。この心の働きを活かす第一歩は、感情が動かされている自分の状況に気づくこと。これには、マインドフルネスも有効です。そして、気づいたら、感情の働きを活かすことが重要です。
Cyclingood
感情の働きを活かすとはどのようなことでしょうか。
不安や落ち込みなど強い感情を感じると、無意識に抑制してしまう人もいます。しかし、これでは気づくことも、前向きに受け止めることもできません。感情がわいたときには、抑制してしまうのではなく、感情がわいたことを活かしましょう。まずは、気づくこと、そして、その感情がなぜわいてきたのか考えるとよいでしょう。自分の中にわいた感情に名前をつけるだけでも、学びとして受け止めることに役立ちます。
Cyclingood
こうしたレジリエンスを高めるにはどうしたらいいのでしょうか。
レジリエンスを築くために、アメリカ心理学会は10の方法を提唱しています。
その中で、「心と体をケアし、定期的に運動し、自身のニーズと気持ちに注意を払う。」というものが挙げられています。つまり、習慣的な運動も、レジリエンスを高める方法だと考えられます。
Cyclingood
ということは自転車運動もレジリエンスを高める可能性が。
そうですね。自転車に乗るのは、マインドフルネスの観点からも良いと思います。個人的には、ひとりになれて、遠くまで行けるのが良いなと感じます。走行中はスマートフォンから離れられる現代では貴重な時間です。また、知らない道を走っているときほど集中した状況になりやすいと考えられます。日常に行いやすい適度な運動である自転車運動を取り入れることを通して、レジリエンスを意識するきっかけにしていただけたらうれしいですね。
Cyclingood
ストレスや気分の落ち込みと上手く向き合い、
コントロールすることがとても大切なことがよくわかりました。西本さん、ありがとうございました!