2018.11.29 更新

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北里大学 一般教育部特別研究員
西本 真寛

組織における健康づくり、特にメンタルヘルスの研究が専門。経済産業省の健康経営オフィスレポートの策定などに参画する他、ヘルスケア・アプリやサービスの開発支援なども行っている。東京大学大学院医学系研究科修了。

前編のお話

  1. ① 心理学的に「ブレない」とは?
  2. ② 意思決定疲れを感じている現代人。
  3. ③ 今ここに集中する「マインドフルネス」。
  4. ④ 自転車走行中も集中している?!
Cyclingood
まずは心理学的な「ブレない」とはどのような状態を表すのか
教えていただけますか?
3つの方向が考えられると思います。ひとつは、感情のコントロールができている状態。怒りや不安などの感情に振り回されず、落ち着いて対応できるスキルをもっていることです。ふたつめは心理学的にいう「参照枠」を良く知っていること。自分が物事を判断するときの枠組みや、価値観を良く知り、その価値観に準じて行動が出来ていることです。3つめは、言葉と行動が一致している人。他社から見た時には、言行一致が「ブレない」と称されると思います。
Cyclingood
周りから見た時に「ブレない人」というのは、言っていることとやっていることに違いがないということですね。
はい。「やるといったことは実行する」という人は、「言行一致」が実践できていて、周囲はブレていない人だと評価します。これが信用につながっていきます。逆に発言と行動にブレがある人は信用を得にくい、というのは皆さんも理解しやすいのではないでしょうか。
Cyclingood
確かにそうですね。上司と部下、友人同士、あらゆる人間関係の中で言動の一致と信用を無意識につなげているかもしれません。
ただ現実は、自分の考えと自分の行動の見え方に常に客観的でいるのは難しいものです。特に現代はスマートフォンにいつでも通知が入ってくる状況。こうした、気が散りやすい状況は、自分に対して気づくことも難しくさせてしまいます。あらゆる情報が目に飛び込んでくると、注意が散漫になり、集中力も下がってしまいます。
Cyclingood
そう言われてみれば、
ひとつのことに集中しにくくなっているかも…。
そうでしょう。ひと昔に比べると目に入る情報量が増えて、それだけ人は判断する機会が増えているんです。これによる意思決定疲れが、自分自身への気づきも低下させてしまっているのでは、と考えられます。
Cyclingood
情報があふれ、判断に疲れているこの状況で、
上手く自分の言動に気づくためにはどうすれば良いのでしょうか?
自分の言動に客観的に気づくために有効と考えられている方法に、「マインドフルネス」があります。最近注目されているので、この言葉を聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
Cyclingood
「マインドフルネス」とはどういうものなのですか?
マインドフルネスの基礎的なトレーニングは、“今ここ”に100%集中することです。一般的によく知られているのは座禅や瞑想。意識を集中させ、雑念がわいてきたらそのことに気づき、雑念は追いかけず、集中することに戻る、というトレーニングです。姿勢を整え、ゆっくりと呼吸を行って副交感神経を優位にすることは、乱れた自分に気づきやすくなる効果があると考えられています。
Cyclingood
気持ちを落ち着かせながら、客観的に自分の状態を静観していく感じでしょうか?
そうですね。今の自分の状態を俯瞰(ふかん)して見る目を持てるようになることで、「今集中すべきこと」に注意を戻す、自分の注意を意図的にコントロールすることができるようになっていきます。自転車で走っているときも“今ここ”に集中する状態は多いと考えられるので、自転車運動にもマインドフルな効果は期待できるのではないでしょうか。
Cyclingood
そうですね。自転車で走っているときは、「走ること」に集中している気がします。
自転車で走っているうちに、気づいたら迷いが晴れていた、という経験をおもちの方も多いかもしれませんね。今回のマインドフルネスは集中しにくい現代で注目される自己コントロールの方法ですが、最初にお話した「感情のコントロール」についてはまた違う考え方があるんですよ。
Cyclingood
感情のコントロールを
上手くできるようになりたいと思いませんか?
興味津々の西本さんのお話は後編に続きます!