2017.10.20 更新

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吉備国際大学 社会科学部 スポーツ社会学科
健康スポーツコース

博士(健康科学)・健康体育学修士 
山口 英峰 教授

2003年から東北大学未来科学技術共同研究センター特別研究員。2004年に吉備国際大学社会福祉学部健康スポーツ福祉学科講師に就任し、2009年社会学部スポーツ社会学科講師、2011年より同学科准教授などを経て2017年より社会科学部スポーツ社会学科教授。

前編のお話

  1. ① そもそも体内時計って何?
  2. ② 何もしなくても乱れてしまう体内時計
  3. ③ 乱れた体内時計をリセットする方法
  4. ④ 現代人は体内時計が狂いがち?
Cyclingood
山口先生、体内時計って何となくのイメージしかないのですが、まずはどういうものなのか教えていただけますか?
体温や血圧などが1日の中で変動していることをご存知でしょうか?身体の基本的な働きは、地球の自転に従って効率良く生きるために約24時間周期のリズムをもっています。これをサーカディアン・リズムといい、体内時計がリズムを作りだしています。夜になると眠くなる、決まった時間にお腹が空くのも体内時計の影響ですね。
Cyclingood
先生、ではその「時計」は
具体的に「体内」のどこにあるのですか?
体内時計には親時計と子時計があります。親時計は脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)という領域で、ここが子時計である皮膚や骨、臓器など全身の細胞をコントロールしています。朝、目が覚めると目から入る光が視交叉上核に届き、そこから全身の細胞に「起きろ」と命令が行き渡って、身体が起きるモードになっていきます。つまり人は、脳だけでなく全身に「時計」をもっているのです。
Cyclingood
おもしろいですね。脳と全身の細胞に
時間感覚をもつ機能があるのですね。
地球の自転は24時間ですが、実は人間のサーカディアン・リズムは24時間よりも少し長い周期であることが定説となっています。身体のリズムは約24時間単位で動き、生活そのものは24時間で進んでいく。となると、身体の機能が実際の時間に追いつかなくなってズレが生じていきます。この状態をそのままにしておくと体内時計が乱れてしまいます。
Cyclingood
体内時計が乱れがちになると
どのような影響が起こるのでしょうか?
体内時計の乱れは疲労感や慢性的な眠気などを感じる状況になり、集中力や作業効率の低下、ストレスや不安を抱える状態につながっていきます。さらにこのような状態が続くとうつ病や免疫機能の低下、生活習慣病などに発展してしまう恐れも。そのため「なんかダルい」という日が続いたら、体内時計の狂いをまずは疑ってみて、いち早くリセットすることがおすすめです。
Cyclingood
乱れはじめた体内時計をリセットするには
何をすればいいのでしょうか?
まずは朝の日光を浴びること。先ほどお話したように、体内時計は朝の光が脳に届いて司令を出し、全身を目覚めさせるという働きをもっています。ちなみにアサガオは朝日の作用で咲くと思われがちですが、真っ暗な環境下でも時間が来たら咲きます。つまり、開花を司っているのは光ではなく、時間ということになります。このように人間だけではなく食物や虫などにも「時計」があると考えられています。人の場合、朝の日光を浴びること以外に、身体の細胞を目覚めさせるための朝食を摂ること、そして運動も体内時計のリセットに有効だと考えられています。
Cyclingood
体内時計のリセットは難しいことではなく、
規則正しい生活でカバーできるんですね。
朝の光で目を覚ますには、夜も早めの就寝が必要になるでしょう。早寝早起きが体内時計の正常化に効果的なのは間違いありませんね。現代人は昼夜逆転のライフスタイルの人や、就寝前までパソコンやスマホを見ている人が多いようですが、夜にブルーライトにさらされていると寝付けなくなる可能性が高まります。眠れない状況は体内時計を乱すもと。夜は光を落としてゆったりと過ごし、身体や心を休ませることが望ましいです。
Cyclingood
運動も体内時計のリセットに良いとのことでしたが、
この運動に自転車は有効ですか?
もちろん。自転車は通勤や通学の時間を手軽な運動に変えることのできる便利ツールです。実は運動効果を高めることのできる「時間帯」が体内時計にあり、この時間帯が通勤・通学のタイミングにフィットしやすいのです。そのあたりを知っておくと、毎日の通勤・通学を自転車での効果的な運動時間に変えることができますよ。
Cyclingood
体内時計の乱れをリセットするのに効果的な
自転車運動の方法とタイミングとは?
興味津々の内容は、後編に続きます!