高橋さんの「Cycling for Charity❷

高橋さんの「Cycling for Charity❷

高橋さんの「Cycling for Charity❷

2017.11.24 更新

高橋さんが個人の活動として取り組まれている「Cycling for Charity」。3回目を迎えた2017年は
過去最大のスケールで東京から北海道の女満別を自転車で走り抜くというものでした。
目標とする走行距離は2,000km。1kmあたりの金額を賛同者自身が決めて、高橋さんが走った距離に応じて
寄付金を受け取るというオリジナルのチャリティ活動を、なぜ高橋さんは行われているのでしょうか。
高橋さんがこの活動に込めている思い、自転車で行われている理由などをじっくりとお聞きしました。

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高橋 陽介 Cycling For Charity 代表
日本オラクル(株)の社員として勤務する傍ら、2015年から休暇を利用して自転車で日本を走り、その走行距離に応じて寄付金を募る「Cycling For Charity」を実践。2015年は東京から東北へ536km、2年目の2016年は長崎から神戸へ1,049kmサイクリングし、賛同者から集まった寄付金は2年合計で240万円に。これは全額NPO団体に寄付され、今年2017年は北海道をゴールに走行距離2,000km、寄付金500万円を目標にチャレンジを行った。

≪後編のお話≫

  1. 多様性にあふれたプロジェクトメンバー。
  2. 旅の中に潜む一人ひとりのストーリー。
  3. ぬくもりにふれた地元の方との交流。
  4. 高橋さんの行動を支える大切な「モノサシ」。
Cyclingood
それでは今年のCycling for Charityについて、
どのような内容だったか振り返っていただけますか?
高橋さん
児童養護施設の子どもたちにもっと貢献度を高めたい、
寄付金をもっと多くしたいと考え、
そのためには発想の転換が必要だと感じていました。
走行距離2,000km、寄付金500万円を達成するには
これまで以上に多くの人を巻き込んだ大きな活動にしなければなりません。
準備を開始したのは今年の2月でしたから、
約6ヵ月の準備期間を経てPRにも注力し、メンバーを集めました。
Cyclingood
確か今回は100名を超える協力メンバーが集まったのでしたね。
高橋さん
はいそうです。
今回は多様性にあふれたチームにしたいと思っていたのですが
小学生から80代の方までが揃い、
アメリカ人、カナダ人、台湾人の仲間も参加。
実にユニークなメンバーで実行できたのも良かったです。

Cyclingood
1週間ごとにメンバーが交代していくのがおもしろいなあと思っていたのですが、
何か記憶に残るエピソードはありますか?
高橋さん
それはもうたくさんあります。
私と一緒に東京から北海道まで全コースを走り抜いたキースくんは
実はロードバイク初心者でした。
1週間目はフォームができていなくて都度指導していたら、
2週目以降はフォームが定まってきてキツい坂も上手く走りきれるように。
自転車のスキルが上がって自信が出てきたようで
私までうれしくなりましたね。
Cyclingood
キースさん、スゴイですね!
でもそういう仲間の姿を間近で見られることはとても貴重ですね。
高橋さん
他にも、宿や食事の手配をしてくれるサポートメンバーの中には、
最初は上手く現場を仕切れない方もいたのですが、
次第に積極的にリーダーシップを発揮してくれるように変わっていって、
頼もしく感じたことがありました。
あとは参加してくれた小学生が、Cycling for Charityの活動を
夏休みの自由研究にしたという話を後から聞いたり、別の小学生は
「僕も好きなことで社会貢献をやりたい」と話していたお子さんがいたことなど、
このプロジェクトをやって良かったと感じたことは数え切れないですね。
Cyclingood
一緒に走る人にも、サポートをする人にも忘れられない経験になっていますね。
高橋さん
それは肌で感じましたね。
ああ、一人ひとりにストーリーが生まれているんだなと。

Cyclingood
地元の方との交流も今回は盛んだったようですね。
高橋さん
福島では、サイクリングコースを教えてくださった
地元のメンバーと一緒に走りましたし、
網走のキッズ&ファミリーからも温かいもてなしを受けました。
冷たい雨の日に差し出してくださる温かな飲み物、
地元ならではのお料理など、自転車でつながっていく絆を感じました。
そうそう、川井さんという60歳になる北海道の男性が
ご自分の自転車で参加してくださったのですが、なにせこの自転車が重いタイプで。
Cyclingood
それは、長距離や上り坂がかなりキツいはず。
高橋さん
特に上り坂に苦労されていたので
私の予備の自転車をお貸ししたんです。
すると私たちのスピードにもついてこられるようになり、
見事650kmを走破。ご本人も「まさかここまでできるとは」と驚かれていました。
川井さんとお会いするのは初めてだったのですが、
このような方と感動を共有できたのも忘れられない思い出です。
Cyclingood
先ほどからお話を聞いていると、
今回のチャレンジは、単に寄付活動をするためのものだけでなく
参加された皆さんにとっての「成長」の場になっているような気がします。
高橋さん
.........。それはですね、
私にとって、とても大切にしていることなんです。
Cyclingood
といいますと?
高橋さん
私にはずっと大事にしている自分だけのモノサシがあります。
それは、
「自分の行動が、誰かの成長に貢献できているか」
ということです。

Cyclingood
誰かの成長に貢献できているか...。
高橋さん
常に何かにチャレンジしていかないと、
私自身も成長できません。
そして新しいチャレンジは、私自身にエネルギーをもたらしてくれます。
自分が成長するきっかけが、誰かの成長にもつながっていることは
私の人生を支える柱、行動の指針となっています。
Cyclingood
この活動を通じて、高橋さんが大事にされているモノサシが
具体的なアクションになり、
周囲の皆さんにきちんと伝わっていることが素晴らしいですね。
そしてしっかり目標金額も達成されました。おめでとうございます。
高橋さん
ありがとうございます。
結果としては走行距離が2,551km、寄付金は5,115,617円と
目標以上になりました。
児童養護施設の子どもたちにできることをさらに大きくするために、
そして私自身が成長するために
この活動をさらに継続して進化させていきたいと考えています。
Cyclingood
具体的にはどのようなプランをお考えですか?
高橋さん
まだ検討中ですが、「好きなことで社会貢献」というスタイルは
そのままに、
自転車で台湾一周をしてもいいかなと考えたり、
世界中から参加者を日本に集めて各所をめぐることを考えたり。
世界一周に相当する4万kmをチーム全員で走るのも
おもしろいなと思っています。
Cyclingood
次は何をしようかと考えることもワクワクしますね。
高橋さん
これまで培ってきたたくさんの方との出会い、
関わりを大切にしながら、
またひとつ飛躍できるものにしたいですね。

「好きなことで社会貢献する」という高橋さんのブレない思いが
周囲の方に伝播し、
ここでの体験が一人ひとり、それぞれのかたちの「成長」につながっていった
Cycling for Charity。
児童養護施設の子どもたちだけでなく、この活動に参加したすべての人にも
ステップアップの機会になったようです。
この活動に協力を申し出るのも、スポンサーになるのも自由。
来年の高橋さんの活動に、
皆さんもぜひご注目、ご支援くださいね。

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