社会を変える「ハンドバイク」の可能性 2

社会を変える「ハンドバイク」の可能性 2「すべての人が自由で楽しい世界へ。」

社会を変える「ハンドバイク」の可能性 2「すべての人が自由で楽しい世界へ。」

2016.01.12 更新

「ハンドバイク」とはその名の通り、手でこぐスタイルの自転車。足が不自由な方のリハビリや生活の足として日常的に利用される一方で、2008年の北京パラリンピックから正式種目に採用されるなど、パラスポーツとしての一面をもっています。日本ではあまり馴染みのないハンドバイクですが、世界的に見るととても注目が集まっているのだとか。日常使いにもスポーツとしても、生活をより豊かにしてくれる可能性を大いに秘めているハンドバイクの魅力を探るために、2つのイベントに密着してきました。多くの人に知っていただきたいハンドバイクの素晴らしさ、どうぞ感じてください。

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ハンドバイク
「ハンドバイク」の主なタイプとしては、車いすに取り付けられ日常生活の足としても活躍する「アダプタータイプ」と、スピードを追求した競技で使用される「レースタイプ」の2つがあります。欧米では車いすマラソンよりも人気のあるスポーツで、都市で行われるマラソン大会には「ハンドバイク部門」が設けられています。

早朝まで降り続いた雨が上がり、ひんやりした空気が心地よいテレウスカップ当日。
試走が始まるころには早朝の雨で濡れていたコースも徐々に乾き始め、
コンディションは上々です。
秋晴れの清々しい空気の中、参加者の皆さんは伸びやかにウォーミングアップを開始。

試走したり、マシンの調整をしたり、久々に再会した仲間と談笑をしたり…。
思い思いに準備をされている様子を見ていると、
今日という特別な日を楽しもうという皆さんの意気込みが伝わってきました。

11時30分から開会式が行われ、12時からいよいよレースが開始。
まずはロードバイク部門が行われ、続いてハンドバイク・アダプタータイプ部門のレースです。
この下総運動公園のサイクルロードは公園全体を一周するコース設計。

広場の芝生を横目に気持よく走れそうな程よいカーブを抜け、
木々が並ぶ下り坂を一気にかけくだり、最後に少し急な坂を上りきると、
スタート・ゴール地点があります。

公園内とはいえ、1周は意外とアップダウンのある全長約1.5km。
木戸さんが「テレウスカップはお祭りのようなもので、仲間意識が強い」とおっしゃっていた通り、ここにいるみんながひとつになって、声を出し合っています。

【ハンドバイク・アダプタータイプ部門】
タイムトライアル形式 一般 7.5km(1周1.5km × 5Laps)、ジュニア 3.0 km(1周1.5km × 2Laps)

スタートと同時にどの選手も勢い良く飛び出しましたが、1周目手前にある長い坂に皆さん苦戦している様子。
「がんばれ~!」「あと1周!もう少し!」などの声援を受けながら、
ゴールをめざしてこぎ続けます。
唯一ジュニアで参加した小学校6年生の女の子も、上り坂に苦労しながら無事ゴール。
皆と一緒に走る楽しさと、完走の達成感からか、その笑顔からは満足感がうかがえました。

そしていよいよ最後のレースとなる、ハンドバイク・レースタイプ部門の時間に。
選手がスタート地点に集結していくと同時に会場の和やかな雰囲気が一転、
緊張感に包まれます。

【ハンドバイク・レースタイプ部門】
タイムトライアル形式 15km(1周1.5km × 10Laps)

スタートの合図で一斉に飛び出した選手の皆さん。
地面に沿うような空気抵抗を受けないそのスタイルから、やはりスピード感は
アダプタータイプと違います。

トップを走る方々は、ロードバイク並みのスピードでビュンビュン駆け抜けていきます。最終的に1位に輝いた庄司さんはハンドバイク仲間たちのムードメーカー的な存在。声援を受ける度に「いま何周?」と周囲に声をかけ、その都度答える応援する人々。
庄司さんも、周囲の人も、みんなが一体になっている姿が印象的でした。

すべてのレースが終わったあとは、閉会式が行われ、最後に参加者全員で記念撮影。
少し傾いた日差しを受け、1日を楽しみ尽くした充足感がこの1枚から伝わってきます。

鈴鹿サーキットでのエキシビション、そしてテレウスカップと取材をしてきて、
ハンドバイクとともに歩むさまざまな方と出会うことができました。
長年レースでトップを突き進んでいる方。本気で金メダルをめざしている方。
家族や友人とともに同じ目標に取り組む楽しさを感じている方…。
思いや夢、ハンドバイクとの付き合い方は違っても、
みなさんがそれぞれにハンドバイクのある暮らしを楽しまれており、
その自由な楽しさが豊かな暮らしにつながっているのではと感じられました。
沿道の声援が響き合っていたように、これからもっとこの自由な楽しさの輪が
呼応していくよう、Cyclingoodは今後もハンドバイクの世界を発信していきます。